手当て

たくさんの症状と関連する隠れた病態:”慢性”上咽頭炎って知ってますか?

【慢性上咽頭炎ってなんだ?】

鼻の奥に位置する上咽頭部は空気中の外敵から身を守るために常日頃から生理的な炎症反応を示しています。急性上咽頭炎(鼻咽腔炎)は、風邪を引き金に起こる一過性の強い炎症反応です。

しかし何かをきっかけに慢性的に上咽頭部の粘膜に鬱血・鬱滞が継続することがあるのです。それが慢性上咽頭炎というものです。

1960年代に日本で脚光を浴びた慢性上咽頭炎が近年再び注目されつつあります。その理由は上咽頭の慢性炎症が後鼻漏、咽頭痛、咽頭違和感等の局所症状に留まらず、神経・内分泌系異常を介した症状、免疫系を介した症状等、多くの関連症状が示唆されていることにあります。そして、塩化亜鉛溶液を浸した綿棒を用いた上咽頭擦過療法(Epipharyngeal Abrasive Therapy,EAT)が様々な全身症状の改善に寄与することが再認識されつつあります。

「異常なし」と言われるけれど実際に症状は気になる。やはり気になって再度調べるも「副鼻腔炎かな・・」「異常ないし、メンタルからきてるのでは?」なんて反応も多いのではないでしょうか?

【医師による診断基準】

・後鼻鏡を用いた肉眼的所見による判別は困難
・綿棒を用いた上咽頭擦過により
  ①出血 ②痛み ③細胞変性がある
・その程度が慢性上咽頭炎の重症度を反映するとされている。
・ EATの継続にて出血が軽減・消失するに従い咽頭局所以外の症状が軽減・消失すれば慢性上咽頭炎由来の関連症状とみなされる

【病態:症状発生のメカニズム】

関連症状からの傾向として3パターンに大別できます
1 慢性上咽頭炎そのものによる関連症状 
 頭痛・慢性咳嗽・肩こり・首こり・鼻漏・咽頭違和感・咽頭痛・鼻閉

2 自律神経障害を中心とした神経・内分泌系障害に伴う症状
 浮動性眩暈・全身倦怠感・全身痛・羞明(眩しい)・脱力
 胃部不快感(機能性ディスペプシア)・過敏性腸症候群・むずむず脚症候群

3 自己免疫系を介した疾患・症状
 IgA 腎症・掌蹠膿疱症・アトピー性皮膚炎・反応性関節炎・関節リウマチ

持続的な上咽頭部の炎症刺激は
・慢性炎症による喉周辺の痛み・違和感
・自律神経過剰刺激による神経内分泌(ホルモン系)の異常
・炎症誘発因子が遠方まで到達し、燻っていた炎症を悪化
・脳内老廃物の還流不全による脳機能低下・・・
が生じている可能性が推測されています。

いかがでしょうか?
上咽頭はなかなかのキーポイントなのかもしれません。
まだ認知度も低い病態ですので、何をやっても不調が続く場合は疑ってみてください。

【ホリスピスの知見】
さて、ここからは身体の全体性という観点から、問題提起をしていきたいと思います!!

「なぜ上咽頭が鬱滞するの??」ということなんです。
EATを継続すると症状が軽減することはとても素晴らしいことなのですが、もうひとつ先に踏み込んでいきたいのが「手あて」の醍醐味なのです。でなければ再発しやすいのかもしれません。

でも身体構造という切り口でみてみると、上咽頭はかなり負荷がかかる場所なんです!?どうしてかというと、口からお尻を繋ぐ消化管の天井にあたる場所なんです。起きている間、ずっと重たい消化器(内臓)が鼻の奥(頭蓋骨の下)に吊るされているとしたら・・・なかなかハードですね。

引っ張られ続けると組織は捻られたり、引っ張られたりして負荷が凄いです。か弱い毛細血管、リンパ管がダメージを受けることは容易に想像できます。爪をチョンとつまむだけでも鬱血して押さえた場所が白〜くなりますもの・・・

ストレスを抱えると胃が痛いなんて言いますが、神経的関連があるのです。
このように世の中が混沌とした時期、この先どうなるのかわからない時代です。感情の起伏に合わせ内臓さんは働きすぎて疲れ、だらっと下垂しているのではないでしょうか。そのほかに様々な影響があることはもちろんのこと。

まずは内臓さんに穏やかに、元の場所に戻っていただくきっかけをご提供できたら、上咽頭の負荷が軽減し、組織の歪みが軽減し、回復し始めるのではないでしょうか。 内臓ケアは感情ケアでもあります。穏やかに穏やかに。内臓という中心の土台なき上に、積み上げる知識・情報・対処手段は逆に自分を苦しめてしまいますから。

まずは、まずはここからです。
「内臓さんいつもありがとう!!気づかないところでもちゃんとバランスをとってくれているんだね。」「上咽頭さんもありがとう!!これ以上内臓さんが頑張りすぎて逸脱しないように手を握ってくれているんだね。」「あなたたちのおかげで今日も一日過ごせました。」と寝る前にでも優しく手をあててあげてくださいね。


小椋ホリスピス
手あてとやさしいお菓子

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